2024年11月1日
注文住宅で家を建てる場合、「分割融資に対応した住宅ローン」または「つなぎ融資」を不動産会社やハウスメーカーから案内されることが多くあります。
一般的な人であれば、家を建てる回数は1回。多くても2回だと思いますが、2回も家を建てる人はかなり珍しく、リフォームを除けば普通は家を建てたり購入するのは1回です。
つまり、大半の人が住宅ローンを契約する時は、住宅ローンをはじめて利用する初心者です。そのため、工務店やハウスメーカーから案内された住宅ローンをそのまま利用してしまう人が多くいます。
つなぎ融資も同じです。つなぎ融資も紹介された商品を利用する義務はなく、より有利な条件の商品を探して選ぶことができますので、つなぎ融資と住宅ローンはしっかりとご自身で条件が有利な商品を確認してから決定すべきです。
この記事では、ネット銀行の中でも特に住宅ローンに力をいれているauじぶん銀行の住宅ローンを注文住宅建築時に利用する方法について解説しています。
最初につなぎ融資について解説していきます。
”つなぎ融資”は、土地を購入してから建物が完成するまでの間に必要になるお金を一時的に借りるためのローン商品です。
注文住宅で家を建てる場合、土地購入代金、建物の着工金、中間金などの高額なお金を段階的に不動産会社・工務店やハウスメーカーに段階的に支払う必要があります。
住宅ローンは、建物が完成して、買主に引き渡しになる時にその物件を担保に入れてお金を借りるローン商品なので、原則として住宅が完成するまでは借り入れできません。必要な資金は自己資金またはつなぎ融資で用意するのが一般的です。
つなぎ融資は、物件が引き渡されて、住宅ローンの借り入れが完了したらそのお金で完済する商品です。通常、戸建て住宅は1年以内に完成しますので借りている期間は1年程度です。また、つなぎ融資は、完済時まで元金は返済せずに利息だけを支払いながら住宅完成を待つ、という仕組みになっています。
住宅ローンを分割して融資をすることで土地購入代金や建築中の資金が手当てできるように段階的に貸してくれる銀行もありますが、つなぎ融資を積極的に提供している銀行はそれほど多くはありません。例えば、ネットで人気のauじぶん銀行は、つなぎ融資もしくは分割する形式の住宅ローンを提供していません。
では、注文住宅という形でマイホームを手に入れようとする人はauじぶん銀行で住宅ローンを借りることを諦めなければならないかと言うと、答えは「No」です。つなぎ融資は他の金融機関を利用し、住宅ローンはauじぶん銀行を利用するという形をとれば、注文住宅でもauじぶん銀行の住宅ローンは問題なく利用できます。
この記事では注文住宅でauじぶん銀行の住宅ローンを利用するための方法を解説します。
※つなぎ融資を利用するには先に「auじぶん銀行の住宅ローンの審査を通過しておく」必要があります。つなぎ融資を探す前にauじぶん銀行の住宅ローンに申し込んで審査を進めることをおすすめします。
目次
※審査の結果によっては、保証付金利プランとなる場合があり、その場合、上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。それぞれの金利プランの詳細はこちらから確認してください。
auじぶん銀行の住宅ローンは、低金利と魅力的な医療保障付の団体信用生命保険(団信)が両立しているという特徴があります。
まず、金利については、2024年11月時点で変動金利は新規借り入れ時の金利が年HPご確認%(全期間引下げプラン)、当初引き下げプランの10年固定金利の金利は年HPご確認%(当初期間引下げプラン)、固定20年固定の金利は年HPご確認%(当初期間引下げプラン)となっており、auじぶん銀行の住宅ローン金利は各銀行の中でもトップクラスの低金利水準です。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。
また、満50歳までの人であればがんと診断されたら残債の半分が保険金で返済されるがん50%保障団信が金利上乗せなしで利用できます。その上、この団信には全てのけが・病気で入院が継続約1ヶ月以上になった時に毎月分の返済が免除される特約や、同じく入院が180日以上となった場合には残債が全てなくなる特約が付帯されています。もちろん、死亡・高度障害、リビングニーズ特約(余命6ヶ月の宣告で残債がなくなる)も付いています。
さらに、 金利を上乗せすることで、がん100%保障団信やがん100% 団信プレミアムを利用することもできます。
これらの団信は、健康でかつ50歳までの方が対象の団信ですが、51歳以上でも65歳までの方なら保障が死亡・高度障害およびリビングニーズ特約に限定された一般団信には加入できます。さらに、高血圧症、糖尿病、肝機能障害がある方でも利用できる可能性があるワイド団信も年0.3%の上乗せ条件で利用できます。
まずはauじぶん銀行の住宅ローン申し込みのフローを確認しておきましょう。auじぶん銀行の住宅ローンの申し込みは、5つのステップになっています。
マイページのアカウントを作り、仮審査を申し込みます。この時点では、項目の入力のみを行います。
本審査は、本人確認書類、収入関連書類、物件関連書類が必要です。
収入関連書類である源泉徴収票や課税証明書などが手元にない方は、発行を依頼するなど準備をする必要があります。
物件関連書類は売買契約書や工事請負契約書などのことです。つまり、住宅ローンの契約よりも物件購入の契約が先だということです。契約後に住宅ローンの審査が下りなかったら、支払いができなくなってしまいます。だから契約書には、住宅ローン審査が通らなかった場合は契約が取り消しになる条項を忘れずに入れてもらうようにしましょう。
本審査が通ってから契約手続きとなります。auじぶん銀行では、インターネット上での契約になりますので印紙を準備しておく必要はありません。この点は、紙の契約書を作成する対面型銀行よりもお得だといえます。(※個別のケースで紙の契約書が必要になる場合はあります。)
契約手続きはネット申し込みになりますが、抵当権の設定登記などのための司法書士との手続きは対面で行う必要があります。司法書士はauじぶん銀行の指定となります。
物件の引き渡しと同時に融資が実行になります。
ここまでが基本的な住宅ローンの申し込みの流れです。次に注文住宅購入時の手順を確認していきましょう。
次にauじぶん銀行の住宅ローンを利用することを前提とした注文住宅の購入までのフローを解説します。auじぶん銀行はつなぎ融資を行なっていないため、つなぎ融資はauじぶん銀行以外の金融機関を利用する必要があります。
土地が先か、ハウスメーカーや工務店を選ぶのが先かは個人によって異なりますが、両方が揃った時点で契約を進めていきます。繰り返しになりますが、 auじぶん銀行の住宅ローンの審査に通ることを絶対条件にしたい場合は、住宅ローンの審査が通らず 資金調達ができない場合に契約が取り消しになる条項を盛り込んでおけると良いでしょう。また、ハウスメーカーや工務店の金融機関に対する信頼度も審査結果に影響します。ハウスメーカーや工務店選びはデザインの好みだけでなく、融資の観点も持って選ぶとよいでしょう。
本審査には、物件関連書類が必要です。auじぶん銀行はネットでの手続きになるので全て自分でチェックして提出する必要があります。初めて目にする書類で手続きするのは不安だと思うので、 auじぶん銀行のウェブサイトにある、本審査に必要な書類のチェックシートでチェックしながら抜け漏れなく準備していきましょう。
売買契約や工事請負契約の際に、チェックシートに記載されている書類の取得が可能なのかを相手方業者にも確認をしておくと安心です。また住宅ローンの融資資金でつなぎ融資を全額返済する計画の場合は、auじぶん銀行の借り入れ希望金額をつなぎ融資の手数料や金利分も含めて計算しておく必要があるので注意しましょう。
auじぶん銀行で本審査が承認されれば「auじぶん銀行の住宅ローンの審査に通っているよ」とつなぎ融資を提供している金融機関に宣言できることになるので、ここでつなぎ融資を申し込みます。同一の銀行で住宅ローンとつなぎ融資がセットで提供されている場合があります。住宅ローンをauじぶん銀行で契約する人は、そういった銀行のつなぎ融資は利用できない可能性が高くなっています。
そのため、ネット銀行の住宅ローンが実行されるまでのつなぎ融資の場合はノンバンクを利用するのが一般的です。
例えばSBI新生銀行グループのアプラスでは、「アプラスブリッジローン」という商品名でつなぎ融資を行っています。(2024年11月時点)
つなぎ融資も申し込まなければならないので、一連の手続きは少し面倒ですが、auじぶん銀行の住宅ローンの審査が承認されていれば、つなぎ融資の審査はかなり通りやすいですし、つなぎ融資が実行されれば、正式に土地の購入が完了し建築工事がスタートできます。土地の購入代金、着工金、中間金などはつなぎ融資の資金で支払います。そして、建物が完成し、引き渡しの時にauじぶん銀行の住宅ローンが実行され、つなぎ融資が完済されます。
つなぎ融資をノンバンクなどのauじぶん銀行以外の金融機関から借りて、住宅ローンをauじぶん銀行で借りる場合、いくつかの留意点があります。
1つめは手続きの手間です。つなぎ融資と住宅ローンの利用先が異なる場合、住宅ローンとつなぎ融資をセットで利用できる銀行と比較すると手続きは煩雑になってしまいます。しかし好条件を勝ち取るためには多少の手間は惜しまない方が良いかもしれません。
2つめは審査結果のリスクです。つなぎ融資と住宅ローンを1つの銀行で利用する場合、原則は住宅ローンの審査が通っていれば、つなぎ融資の審査も問題なく通ることが想定できます。しかし、2つの融資を異なる金融機関で借りる際には、それぞれ審査の方式が異なりますのでつなぎ融資と住宅ローンのうちどちらか一方だけ融資審査が通らないということがあり得ます。
3つめは期間のリスクです。auじぶん銀行の住宅ローンは、本審査後の有効期間が180日となっています。万が一工期が遅れてしまい、引き渡しが伸びてしまうと審査をやり直さなければならなくなり、収入が下がっている場合などは審査に落ちてしまうことがあります。もし他に住宅ローンを借りる銀行がみつからなければ、つなぎ融資が返済できず遅延損害金が発生してしまいます。ハウスメーカーや工務店と工期の点はよくよく打ち合わせておきましょう。
4つめはノンバンクのつなぎ融資には団信が付いていないことがある点です。auじぶん銀行が提携しているアプラスのつなぎ融資は希望に応じて団信を付帯することもできます。
つなぎ融資は、建築中の数ヶ月のみ借りるローンのため「万が一」が起きる可能性は高くありません。そのためほとんどの人が、ノンバンクのつなぎ融資に団信が付いていないことを気にしていません。しかし、もし建築中に注文者に万が一のことがあっても、つなぎ融資に団信がついていない場合、負債と建築中の物件がのこることになります。この時点では、住宅ローンの団信は使えません。住宅ローン自体が実行されていないからです。
市街化調整区域とは、郊外の地に無秩序に建物を建てて市街化できないようにするために、住宅の建設が制限されている区域のことをいいます。
市街化調整区域でマイホームを建築する場合は、管轄する自治体に開発許可を取らなければいけません。また、ガスや下水道などのインフラが整備されていない場合は、工事が必要になります。このような不便さから、市街化調整区域の土地は一般的に市街化区域の土地より安く販売されている傾向があります。
市街化調整区域の土地は、担保価値が低いので住宅ローンの審査では不利になってしまいます。
auじぶん銀行では、市街化調整区域の土地を住宅ローンの担保の対象と認めるケースはあるようです。しかし、一般的には開発許可が降りない土地、建物が建っていても再建築ができない土地、そもそも流通性がない土地は、担保として承認されない可能性が高いといえます。安い土地が見つかったからといって、安易に契約をしてしまわないように気をつけましょう。
既に注文住宅を建てて住んでいる人の中には、スムーズな手続きを優先するために、つなぎ融資と住宅ローンをセットで行っている金融機関で住宅ローンを借りたという方が多いのではないでしょうか。
一般的に住宅ローンの借り換えは、残債が1,000万円以上かつ、残りの返済期間が10年以上あり、借り換え後の金利が1%以上落ちる場合に効果があるといわれています。
残債が多く残っており返済期間が長いケースでは、金利は必ずしも1%も落ちなくても十分に借り換えのメリットが生じることがあります。該当する方はauじぶん銀行のウェブサイトの住宅ローンシミュレーションを試してみることをおすすめします。
本記事で解説してきたとおり、つなぎ融資の役割は「土地の購入資金の工面」と「建物を建てるための資金の工面」です。住宅ローンは、土地と建物が揃っていないと実行されないため、土地購入〜竣工までを「つなぐ」ためにあるのがつなぎ融資です。
しかし、銀行によっては、つなぎ融資に似た商品として、「土地購入代金を融資する」という商品を見受けます。このタイプの融資は、一見つなぎ融資と同じタイプの商品に見えますが、着工金や中間金の準備には使えない、という欠点があります。
着工金や中間金などの「土地購入代金以外の竣工までに必要な資金」を自己資金で準備できる人には向いている商品です。
また、ハウスメーカーが、着工金・中間金は不要とし、竣工時に住宅ローンで一気に支払いを済ませることに同意してくれるケースでは利用の価値があります。
しかし、一般的なつなぎ融資と同じ感覚では利用ができないことは事実です。ローン商品を見る際には、利用可能な資金使途をよく確認しておくようにしましょう。
ここまで見てきた通り、ノンバンクなどの金融機関のつなぎ融資を利用すれば、注文住宅でもauじぶん銀行の住宅ローンを利用することができます。ただ「2つの金融機関とやり取りするのは大変そう」と 感じる方も多いのではないでしょうか。そのような方は、不動産会社やハウスメーカー、もしくは工務店と密に連絡をとりながら進めていくことで不安感が軽減できます。住宅は一生に1回の買い物になる方が多く、手続きに慣れている方はほとんどいません。不安を隠さずにつなぎ融資と住宅ローンに関して相談した際に、親身に対応してくれる業者と付き合うのが理想です。 住宅ローンの返済は長期に渡ります。
auじぶん銀行はつなぎ融資に直接的に対応していないので、注文住宅のハウスメーカーや工務店がauじぶん銀行の住宅ローンをおすすめしてくることはほとんどないでしょう。つなぎ融資の手続きは確かに面倒ですが、しっかりと段階的に手続きしていくことで、注文住宅でも超低金利と充実した医療保障が受けられるauじぶん銀行の住宅ローンを利用することは可能です。
注文住宅でauじぶん銀行の住宅ローンを利用できないか、と考えている人は、まずは仮審査に申し込んでみると良いでしょう。
参考サイト:auじぶん銀行 住宅ローン 公式サイト
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