2024年12月2日
通常、購入するマイホームが決まったタイミングや、家を建てる手続きを進めていく段階で住宅ローンを決定しなければなりません。
「夢のマイホーム」ばかりを意識していると、住宅ローンを決定しなければならないことに気づき、慌てて「住宅ローンの審査にはどれくらいの期間がかかるのか?」という基本的な所から考え始めることになります。
住宅ローンの利用条件が異なるように住宅ローンは金融機関により審査手順や審査にかかる時間が違います。
どの銀行に申し込んでも同じような手順になりそうな住宅ローンの審査ですが、事前審査~本審査~契約・融資実行までの一連の審査にかかる時間も順番など、金融機関ごとに違いがあります。
また、店舗を持たないネット銀行の住宅ローンやネット申込専用の住宅ローンの場合、住宅ローンの条件は店舗相談・店舗申込型の住宅ローンと比べて有利なことが多く、かつ、ネットから簡単に誰でも申込できるため、住宅ローンの繁忙期やキャンペーン実施中は申込が殺到して大幅に審査に時間がかかることもあります。
このように、住宅ローンは商品性だけでなく審査基準や審査の手続き方法も金融機関によって異なります。
なお、初めて住宅ローンを探している人は、申込から借り入れまでの流れを不安に思って当然ですし、住宅ローンの審査の期間がどのくらいなのかも気になるのも当然のことです。気にする必要は全くありません。
この記事では、ネット銀行の中でも人気の高いauじぶん銀行の住宅ローンを例に申し込み手続きから審査完了までどの程度の期間を見込んでおけば良いのかを手続きの流れも含めて解説します。住宅ローンには「仮審査(事前審査)」と「本審査」の2つの審査がありますので、それぞれについて審査が終わるまでの期間や流れを解説していきます。
なお、auじぶん銀行の住宅ローンの基本的な商品性をまだ把握できていない人、また最新のキャンペーン情報は、こちらのページで事前に確認しておくようにしてください。
目次
auじぶん銀行は2024年12月の変動金利を年0.434%(全期間引下げプラン・物件価格の80%以内で新規借り入れの場合) という魅力的な金利で提供しています。
※物件価格の80%超で新規お借入れの場合、表示金利に年0.045%上乗せとなります。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
auじぶん銀行の住宅ローンは、ただ金利が低いだけでなく、がんに対する診断保障(がん50%保障団信)、精神障がいを除くすべての病気とケガによる就業不能(入院)に備える全疾病保障などを金利上乗せなしで利用することができます。
auじぶん銀行は様々な住宅ローンの調査やランキングで上位にランクインしている人気の高いネット銀行です。大手通信会社とメガバングの出資によって2008年に設立されました。
auじぶん銀行の住宅ローンの金利は以下の通りとなっており、比較的低金利を打ち出すネット銀行の中でもかなり低い金利を維持しています。
金利種類 |
金利 |
変動金利(新規借り入れ) |
年0.434%(全期間引下げプラン・物件価格の80%以内で新規借り入れの場合) |
変動金利(借り換え) |
年0.479%(全期間引下げプラン・借り換えの場合) |
固定10年 |
年HPご確認%(当初期間引下げプラン・物件価格の80%超で新規借り入れの場合) |
固定20年 |
年HPご確認%(当初期間引下げプラン・物件価格の80%超で新規借り入れの場合) |
固定35年 |
年HPご確認%(当初期間引下げプラン・物件価格の80%超で新規借り入れの場合) |
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。
※auじぶん銀行ウェブサイトを参考に筆者作成。最新の金利はauじぶん銀行のウェブサイトをご確認ください。
auじぶん銀行が提供している住宅ローンのauモバイル優遇割について簡単に解説しておきます。
auじぶん銀行の住宅ローンは、上記の条件をクリアすることで、最大年0.07%の住宅ローン金利引き下げが適用されます。また、「じぶんでんき」とセットで利用すると住宅ローンの金利がさらに年0.03%引き下げられるので、合計で年0.1%の引き下げが実現します。人気の変動金利はもちろん、10年固定金利、35年固定金利にも金利引き下げが適用されます。
また、死亡・高度障害だけでなく病気療養中を保障する団体信用生命保険(団信)にも定評があり、特に50歳未満であればがん50%保障団信に金利上乗せなしで加入できる点は注目に値します。
団信の種類 |
金利上乗せ |
支払い事由 |
主な保障内容 |
がん50%保障団信 |
なし |
死亡・高度障害 |
残債全額を保険金で完済 |
余命6ヶ月以内と判断 |
|||
入院継続180日以上 |
|||
がん診断確定 |
残債半額を保険金で返済 |
||
4疾病保障 |
所定の条件を満たすと残債半額を保険金で返済 |
||
入院連続31日以上 |
1ヶ月ごとの返済額を保険金で返済 |
||
がん100%保障団信 |
年0.05% |
死亡・高度障害 |
残債全額を保険金で完済 |
余命6ヶ月以内と判断 |
|||
入院継続180日 |
|||
がん診断確定 |
|||
入金連続31日以上 |
1ヶ月ごとの返済額を保険金で返済 |
※auじぶん銀行ウェブサイトをもとにみんなの住宅ローン編集部にて作成。がん100%保障団信プレミアムも用意されています。上記の表は一覧性を重視するため主な情報に絞り、おおまかな表現で作成しています。保障内容について詳しくはauじぶん銀行のウェブサイトでご確認ください。
auじぶん銀行に住宅ローンを申し込む手続きの流れは以下の通りになります。
1 | 仮審査 |
2 | 本審査 |
3 | 契約手続き |
4 | 司法書士との面談 |
5 | 契約完了(融資実行) |
なお、auじぶん銀行の住宅ローンでは住宅購入時の諸費用も住宅ローンとして借りることができます。諸費用とされているのは以下の項目です。それらの費用を住宅ローンに含んで借りることを個別に相談したい場合は、確認や調整に時間がかかることがあります。
もし、一連の手続きが終わった後にこれらの諸費用についても含めて借り入れたいと考えて、借入金額の増額申請を行う場合は再審査となってしまいさらに時間がかかってしまいます。なるべく早い段階で相談することを意識すると共に諸費用を含めた借入額を最初から希望しておくと良いでしょう。
ひと昔前までは、「住宅の購入時には物件価格の何割かの頭金が必要」といわれていました。しかし、auじぶん銀行を利用するならば必ずしも頭金が必要だとはいえません。
先述の通り、auじぶん銀行の住宅ローン金利はかなり低水準にあり、債務者の金利負担は金利が高かった時代と比較すると軽くなっているといえます。
また、上記で紹介したがん50%保障団信の保障内容は、本来保険会社の生命保険で準備しようすると非常に高額な保険料になってしまいます。しかし、auじぶん銀行ではがん50%保障団信を無償で提供しています。(健康状態、年齢の条件があります)
加えて昨今はNISA、iDeCoなどを利用する人が増え、資産運用で個人資産を増やすことを考える方も増えてきています。
低金利と充実した団信を鑑みた場合、「手元の資金はなるべく投資に回し、ローンを組めるだけ組みたい」と考える方は少なくありません。金利以上のリターンを投資で得られると考える方は、このような判断をします。
実際に、債務者に万が一のことがあった場合は、住宅ローンは団信でなくなりますので、手元資金が多い方ほど遺族は助かるといえます。
もちろん、住宅ローンは借金であるため、無計画な借入は避けるべきです。無理のない借入額という前提があるならば、住宅ローンの機能を生かすために、諸費用などをできるだけ住宅ローンに詰め込めば、理論上はほとんど手元資金を使わずに家を購入できる時代になったといえます。auじぶん銀行は「手元資金をなるべく使いたくない派」の方にも適した銀行だといえます。
頭金を入れないで住宅ローンを組むと、フルローンもしくはオーバーローンに該当します。フルローンとは、物件価格と同額の住宅ローンを組むことです。オーバーローンとは、諸費用も含めて住宅ローンを借りることで、結果的に物件価格よりも住宅ローンの借入額の方が多くなっている状態のことをいいます。
フルローンやオーバーローンで住宅ローンを借りたときのデメリットは、売却ができない時期が生じる可能性があるという点です。
住み替えのために物件を売却しようと考える方は少なくありません。しかし、物件の老朽化による価値の減少スピードが、住宅ローンの残債の減少スピードよりも早い場合は、常に住宅ローンの残債が物件の売却価格より高い状態になります。実は、このように、売却資金で住宅ローンを完済できない状態では、物件を売ることができません。銀行が許可をしてくれないからです。
銀行は、物件に抵当権を設定することで、住宅ローンを貸しています。抵当権を設定しておけば、債務者が返済できなくなった際に、住宅を競売にかけることで返済資金の足しにすることができます。
通常、住宅を売ると同時に、住宅ローンを完済し、抵当権を外します。しかし、売却資金で完済ができないということは、銀行は物件から抵当権を外すことができません。このような状態では、銀行は売却の許可を出せないということです。
仮審査にかかる期間は、auじぶん銀行のウェブサイトを確認する限り、ネット銀行としては標準的なものになっています。
なお、仮審査時点では提出書類は必要ありません。仮審査の申し込み時点で審査に関わる内容をほぼ入力するので、その後の手続きがスムーズになります。
仮審査終了後時にはEメールでお知らせが届きます。審査結果をマイページで確認したら、本審査に進みましょう。
本審査にかかる期間は、auじぶん銀行のウェブサイトには以下のように記載されています。
お客さまのお申込内容によって異なります。
【仮審査】
お申込日から1~3営業日を目安に結果をお出しします。
【本審査】
必要書類をすべてご提出いただいてから3~10営業日を目安に結果をお出しします。
※必要書類に不備があった場合は、不備完了後からとなります。
※申込時期によっては、本審査結果のお知らせには、さらに時間がかかる場合がございます。
(出典)auじぶん銀行 【住宅ローン】のよくある質問:審査はどれくらいかかりますか。(2024年11月1日)
上記記述から、審査期間は1〜2週間程度であることが想定できます。
本審査にかかる期間は、auじぶん銀行のウェブサイトには「数日」と記載されています。(2024年12月)ただ、一般的に、ネット申込型の住宅ローンの場合、混み合っていると審査は早くて2週間〜1ヶ月、もしくは1か月半ぐらいかかることもあるようです。
auじぶん銀行は郵送不要のネット完結型の契約を採用するなど、審査スピードを早める取り組みに力を入れています。しかし、人気がある銀行なので、想定外に審査に時間がかかる可能性があることは否定できません。
契約までに時間的余裕がない方は、予めコールセンターに問い合わせをし、今の時期だと本審査にどれくらいの期間がかかりそうかを個別に聞いておくと良いでしょう。
住宅ローンの審査手続きと並行して進めておきたい手続きが円普通預金口座の開設手続きです。
実際にauじぶん銀行で住宅ローンを利用する際には、auじぶん銀行の円普通預金口座が必要になります。円普通預金口座の開設には1~2週間ほどかかるとされているので、融資実行日が近い方は、本審査が確認でき次第すぐに開設手続きに進むと良いでしょう。
auじぶん銀行の円普通預金口座は保有しているだけであれば、口座維持費用がかかるものではありません。多くの手続きをスマホで行うことができる便利な口座なので、融資実行まで急いでいる方は仮審査や本審査の結果を待たずして、可能な限り早く口座開設を進めても特に大きなデメリットは生じないでしょう。
本審査が完了したら、次は契約手続きです。
auじぶん銀行のマイページで、承認内容を確認します。問題がなければ契約手続きに進みます。
さらに、借入日の3営業日前までに、契約手続き時に登録した振込先が確認できる資料をウェブ上でアップロードする必要があります。
振込先情報などを入力して、確定ボタンを押すと契約申込みが完了します。
契約手続きが済んだら抵当権設定手続きのために、auじぶん銀行側が選んだ司法書士と面談を行います。具体的な手順は司法書士と打ち合わせておきましょう。
司法書士が買主、売主の登記に関する書類を確認し問題がなければ、auじぶん銀行が買主(資金の借主)の口座に借入金額を入金します。
そして、予め契約手続き時に登録した振込先に資金を振り込みます。
売主側で資金の着金が確認できたら、所有権を移転すると同時にauじぶん銀行の抵当権を物件に設定することで、売買が完了します。
実は住宅ローンの審査は早ければ早いほど良いというわけでもありません。
例えば、auじぶん銀行の仮審査と本審査の有効期限は180日間となっています。新築住宅を購入する際に、引き渡しまでに180日以上期間がある場合は本審査の有効期限が足りないということになってしまいます。通常は問題ないと思いますが、マンション竣工や戸建て住宅の建築完了のスケジュールに遅れが生じそうな場合は、不動産会社やauじぶん銀行に早めに相談しておくようにしましょう。
なお、この180日という期間は短い期間ではありません。その期間中に仕事が変わるケースもあると思います。特にその期間に転職を検討している方は注意が必要です。審査時点と融資実行時点で職業が異なっていると、融資実行に支障が出る可能性がありますので、一般的に本審査から融資実行までの間は転職を控えるのが無難です。
ここまで審査期間と手続きの流れについて見てきましたが、一般的に審査を急がなければならないケースとして個人間売買(中古物件購入)が挙げられます。
特に個人が売主の場合、引っ越しが決まっていたり、経済的な事情があったりで売買契約を急いでいる場合があります。そのようなケースでは、売買契約、住宅ローン審査、引き渡しまでの期間がタイトになっておりその時点で初めてネット銀行の手続きを調べ始めたのでは、売主の売買成立の希望日に間に合わない可能性があります。
中古物件の購入を検討されている方は、早めにauじぶん銀行のウェブサイトを閲覧して手続きの流れを把握しておきましょう。
auじぶん銀行の住宅ローンはもちろん借り換えにも対応しています。借り換えの手順も新規の借入の時と同様以下の通りです。
1 | 仮審査 |
2 | 本審査 |
3 | 契約手続き |
4 | 司法書士との面談 |
5 | 契約完了(融資実行) |
借り換えの手続きは新規借り入れよりはスムーズに進むことが多く、仮審査と本審査の流れはマイページの指示通りに進めば問題はないでしょう。基本的に物件購入時の資料や書類、銀行から届く明細を保管していれば、問題なく手続きが進むケースが大半です。
本審査が通ったら、借入中の金融機関に連絡し完済日や必要金額、振込先の銀行口座の指示を受けます。また、完済日当日に抵当権抹消書類が受け取れるように手配してもらう必要もあります。
マイページでの入力作業や司法書士面談のフローも新規借入時とほぼ同様です。
住宅ローンの借り換えは、それまでに利用していた住宅ローンを完済し抵当権を抹消したうえでauじぶん銀行が抵当権を設定することで完了します。
住宅ローンの借り換えをする際には、以下の点を留意しましょう。
借り換えによって、利息の支払いが少なくなる場合でも事務手数料や登記関連費用を加味した場合、総返済額がさほど下がらないことがあります。一般的に、残りの返済期間が10年以上あり、残債が1,000万円以上あり、借り換えで金利が1%以上下がる場合は、総返済額が下がる可能性が高いといわれています。
特に、他社で当初固定金利タイプの住宅ローンを借りていて、当初の固定金利特約期間(特別に金利が低い期間)が過ぎたことで金利が上がってしまった方は、上記の3つの条件に当てはまることが多い傾向があります。
ここでは、残りの返済期間が20年、残債が2,000万円残っているケースで、金利が1%改善するとどれだけ総返済額が下がるかを計算してみます。なお、金利は1.5%から0.5%に下がるものとして計算しますが、こちらは筆者が任意に決めた金利でありauじぶん銀行の実際の住宅ローン金利とは異なります。
|
金利1.5%のまま |
金利0.5%に借り換え |
借入金額+利息 |
23,012,400円 |
21,020,706円 |
諸費用 |
借り換えしなければなし |
事務手数料440,000円 登記関連費用165,000円 |
総返済額 |
23,012,400円 |
21,625,706円 |
上記の例では借り換えで150万円以上の総返済額の軽減ができています。
住宅ローンのリスクとは、金利変動リスクのことです。借り換えは多くの場合、固定金利から変動金利に変更することで総返済額の軽減効果が大きくなる傾向があります。固定金利の方が変動金利よりも利率が高いことが多いからです。しかし、固定金利から変動金利に変更した後に金利が上がってしまったら、結局総返済額の軽減効果は得られない可能性があります。固定金利から変動金利に借り換えをする方は、金利変動リスクが生じる点に注意しましょう。
先述のとおり、auじぶん銀行の団信の内容は手厚いため、他の金融機関からauじぶん銀行に借り換えた際には、団信が改善する可能性は高いといえます。
もし、総返済額がさほど改善しない場合でも、団信の改善を目的に借り換えを検討するのも一案です。
マイホームの購入が人生で最も高額な買い物になる人が大半です。また、大半の人はマイホーム購入は1回限りですし、わからないことだらけで不安を感じている方は多いと思います。
auじぶん銀行は丁寧にホームページに手続き方法を記載しています。「契約手続きは滞りなくできるだろうか」という不安を抱えている方でも、auじぶん銀行のウェブサイトをよく読んで、不明なことがあったらコールセンターに電話して解消することで問題なくご自身で手続きを進めていけるでしょう。
なお、auじぶん銀行のコールセンターは、土日も含めて営業しているため、忙しい現役世代の方々にとっては頼れる銀行だといえます。
参考サイト:auじぶん銀行
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