公開日: 2026年7月10日

住宅ローンの人気ランキングの上位は、いつもネット銀行(対面型銀行のインターネット専用サービス含む)がひしめいています。
住宅ローンを選択する際に、ほとんどの人が真っ先に気にするのが「借入金利」だと思います。また、最近は債務者に万が一が起きたときに残債分の保険金が支払われる「団体信用生命保険(以下、団信)」という商品もあってか、より一層関心を持つ人も増えています。教育費や子育て費用を抱えるご家庭にとって、団信は「家族を守る保険」でもあります。
中でもネット銀行は、店舗を抱えるとどうしても膨らみがちな「不動産関係費」や「人件費」がかなりスリムに抑えられています。さらに、経営の費用負担を顧客に皺寄せする必要がないためか、住宅ローンの商品性も優れている傾向にあります。
この記事では、ネット銀行の中でも特に、住宅ローンの人気ランキングでいつも上位に位置する「auじぶん銀行」と「PayPay銀行」について取り上げます。どちらの方が自身に合っているのかを比較してみてください。
目次
まずは、auじぶん銀行とPayPay銀行とはどういった銀行なのかを解説します。
auじぶん銀行は、2008年6月設立の大手通信会社の子会社とメガバンクが株主となっているネット銀行です。『いつどこにいても”自分”のいる場所が銀行になる』ことが名前の由来となっています。スマホやパソコンで、預金、振込、ローンの申込などが手軽にできる最先端の銀行の一角です。
PayPay銀行は、多くのインターネット系サービスを提供するグループ企業の傘下にあるネット銀行です。2000年9月に日本初のネット銀行として設立しました。元々はジャパンネット銀行という名称でしたが、2021年4月に社名をPayPay銀行に変更しました。住宅ローンの金利は国内でもトップクラスの低金利水準です。
業界トップクラスの低金利という点が似ている両行ですが、細かく比較してみると異なる点が多くあります。ここでは、金利、事務手数料、団信、ペアローン、収入合算、年収基準などの、様々な項目で比較をしてみます。
最新の金利情報については、各社の公式サイトから最新情報を確認してください。
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項目 |
auじぶん銀行 (公式サイト) |
PayPay銀行 (公式サイト) |
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変動金利(新規・2026年7月) |
年1.134%(全期間引下げ・物件価格80%以下の場合) |
年1.330%(全期間引下げ) |
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事務手数料 |
借入金額×2.20%(税込) |
借入金額×2.20%(税込) |
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団信(50〜51歳未満目安※) |
【金利上乗せなし】 ・がん50%保障団信(4疾病50%保障・全疾病長期入院保障・月次返済保障付き)
【上乗せ金利:年0.05%】 ・がん100%保障団信
【上乗せ金利:年0.15%】 ・がん100%保障団信プレミアム
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【上乗せ金利:年0.10%】 ・がん50%保障団信
【上乗せ金利:年0.15%】 ・がん100%保障団信
※上乗せなしで加入できるのは一般団信(2026年7月時点)
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団信(65歳未満対象) |
【上乗せ金利なし】 ・一般団信
【上乗せ金利:年0.3%】 ・ワイド団信 |
【上乗せ金利なし】 ・一般団信
【上乗せ金利:年0.3%】 ・ワイド団信 |
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ペアローン |
あり |
あり |
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収入合算 |
あり |
あり |
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年収基準 |
200万円以上 |
200万円以上 |
※疾病保障付き団信の対象年齢は商品により異なります(auじぶん銀行のがん保障団信は借入時満50歳以下、PayPay銀行は51歳未満など)。最新の対象年齢・上乗せ金利は各行公式サイトでご確認ください。
auじぶん銀行について:審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、その場合は上記の金利とは異なる金利となりますので注意してください。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。
(出典)各社ウェブサイトの情報を基に筆者作成(金利は2026年7月適用分)
両銀行の変動金利(新規借入・引下げ後)を比較すると、2026年7月時点ではauじぶん銀行が年1.134%(全期間引下げ・物件価格80%以下)、PayPay銀行が年1.330%と、auじぶん銀行の方が低くなっています。2026年7月はPayPay銀行や楽天銀行が変動金利の基準金利を引き上げる一方、引き下げる銀行もあり、ネット銀行の変動金利は対応が分かれています。ネット銀行の間では住宅ローンの競争原理が働いているため、常に最新の金利を各銀行のウェブサイトで確認するようにしましょう。
なお、かつてPayPay銀行は借り換えの金利が新規借り入れよりも有利な時期がありましたが、2026年7月時点では新規・借り換えとも同水準です。事務手数料は、「借入金額×2.20%(税込)」ということで同じです。
ただし、借入金利や事務手数料だけでなく、団信の内容を比較することも大切です。とくに小さなお子さまがいるご家庭では、働き手に万一のことがあった場合に住居費の負担がどうなるかを、金利差とあわせて考えておきたいところです。
auじぶん銀行とPayPay銀行の団信は、名称だけを見るとよく似ています。しかし、上乗せ金利の扱いと保障の中身は大きく異なりますので、よく保障内容を理解することが大切です(以下は2026年7月時点の情報です。最新は各行公式サイトでご確認ください)。
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項目 |
auじぶん銀行 |
PayPay銀行 |
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がん保障付き団信(50〜51歳未満目安) |
【金利上乗せなし】 ・がん50%保障団信(4疾病50%保障・全疾病長期入院保障・月次返済保障付き)
【上乗せ金利:年0.05%】 ・がん100%保障団信
【上乗せ金利:年0.15%】 ・がん100%保障団信プレミアム |
【上乗せ金利:年0.10%】 ・がん50%保障団信
【上乗せ金利:年0.15%】 ・がん100%保障団信
※上乗せなしは一般団信
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団信(65歳未満対象) |
【上乗せ金利なし】 ・一般団信
【上乗せ金利:年0.3%】 ・ワイド団信 |
【上乗せ金利なし】 ・一般団信
【上乗せ金利:年0.3%】 ・ワイド団信
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なお、この記事で解説する全ての団信には、死亡・高度障害保障およびリビングニーズ(余命6ヶ月以内と判断されると死亡保障と同様の保険金が支払われる保障)の特約は最低限の保障として付いています。これらの最低限の保障のみの団信を「一般団信」といいます。
がん50%保障団信は、がんと診断されると残債の半分が保険金で返済される団信です。保険金の支払い対象となるがんに、「上皮内がん」や「皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん」が含まれない点は両行で共通しています。
ここで注目したいのは、auじぶん銀行のがん50%保障団信は金利上乗せなしで加入でき、さらに「4疾病50%保障(急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患)」「月次返済保障」「全疾病長期入院保障」が付帯されていることです。月次返済保障は、精神障害を除く病気や怪我で入院が31日以上となった場合に、月の返済が保険金によって免除される保障です。入院30日ごとに保険金が支払われます。「全疾病長期入院保障」は、入院が継続180日に達した際に、残債が保険金で完済される保障です。治療が長引く病気や怪我をした際に役立つ保障です。
一方でPayPay銀行のがん50%保障団信は年0.10%の上乗せ金利が必要で(2026年7月時点・上乗せなしで加入できるのは一般団信)、auじぶん銀行のような月次返済保障・全疾病長期入院保障も付いていません。この違いから、がん50%保障の枠組みについては、auじぶん銀行が優れているといえるでしょう。
がん100%保障団信は、その名のとおり「がん(悪性新生物)」と診断されると、ある一定の条件を満たすことで残債が保険金により完済される保障です。
auじぶん銀行の「がん100%保障団信」(上乗せ年0.05%)は、がん保障の部分を「がん50%保障団信」よりもグレードアップしたと理解して差し支えありません。また、「月次返済保障」と「全疾病長期入院保障」はそのまま付いています。PayPay銀行の「がん100%保障団信」は上乗せ年0.15%です(2026年7月時点)。
各行とも団信のラインアップや上乗せ金利は見直されることがあるため、申込前に必ず公式サイトで最新の保障内容をご確認ください。
ここまで解説してきた疾病保障付きの団信は、おおむね50歳前後までの人が対象です(auじぶん銀行は借入時満50歳以下、PayPay銀行は51歳未満)。対象年齢を超える人、または健康状態に問題があったり、病歴があるなどの理由で疾病保障付き団信に加入できない人は、一般団信の対象になります。
健康上の理由で、一般団信の加入も難しい場合には、一般団信と同じ保障内容の「ワイド団信」が対象になります。
ワイド団信は持病がある場合や過去に重大な病歴がある場合でも、比較的緩和された基準で審査が行われます。ただし、通常の団信に比べて保険料や金利がやや高くなることが一般的です。
auじぶん銀行、PayPay銀行共にワイド団信は取り扱っており、どちらも上乗せ金利は年0.3%です。
最近共働き世帯を中心に利用されている「ペアローン」と「収入合算」については、どちらの銀行も利用できます。
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項目 |
auじぶん銀行 |
PayPay銀行 |
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ペアローン |
あり |
あり |
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収入合算 |
あり |
あり |
ペアローンは、夫婦で1本ずつ、合わせて2本のローンを組んで1つの物件を購入する方法です。2人の負債を合わせるので希望の通りの物件を買いやすくなります。
収入合算は、配偶者が主債務者の連帯保証人になる方法です。審査の際に、主債務者だけでなく配偶者の収入も考慮するため、単独ローンより借入額は増やせます。
ペアローンの場合は、夫婦それぞれが住宅ローン控除を利用できます。しかし、収入合算の場合は、住宅ローン控除は主債務者しか利用できません。夫婦それぞれの納税額を鑑みて、どちらを利用したらより多くの税額控除を受けられるかを考えて選択しましょう。共働きのご家庭では、産休・育休や時短勤務などで収入が変わる時期も見据えて、無理のない分担にしておくことが大切です。
auじぶん銀行、PayPay銀行共に年収200万円以上の人が対象になります。実は、年収の下限を400万円以上に設定しているネット銀行も見受けますので、この2つの銀行は、より多くの人に住宅ローンを提供しようと考えていることがわかります。ネット銀行らしい好感できる営業姿勢です。
auじぶん銀行とPayPay銀行の住宅ローンの商品性の違いで重要な点は住宅ローン対象者の職業です。auじぶん銀行は同行のウェブサイトを見るかぎり、会社員とは異なる提出書類を求めるものの、自営業者や経営者にも住宅ローンを提供しているようです。
(参考)
auじぶん銀行 住宅ローン 【本審査】必要書類一覧
https://www.jibunbank.co.jp/products/homeloan/formalities/documents/pdf/checksheet_new.pdf
一方PayPay銀行は、個人事業主や自分自身または家族が経営する会社に勤める人は、原則利用できない旨の記載があります(なお、PayPay銀行には個人事業主・経営者向けの専用住宅ローンが別途用意されています)。
(参考)
PayPay銀行 住宅ローン 商品要項
https://www.paypay-bank.co.jp/mortgage/detail/index.html
この点から、独立起業した方や家業を引き継いだ方等は、まずはauじぶん銀行を候補とするのがセオリーです。
市街化調整区域の物件を購入しようと考えている方にとっては、目当ての物件が住宅ローンの対象になるか否かは重要な関心事かと思います。 この点については、auじぶん銀行とPayPay銀行とで対応の姿勢が異なりますので、注意したいところです。
auじぶん銀行のウェブサイトには、市街化調整区域についての質問に対する回答として、下記のような記載があります。
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Q【住宅ローン】市街化調整区域の物件ですが、取扱われていますか。 A 所定の審査を行い、総合的に判断いたします。まずはお申込みをお願いいたします。 |
(引用元)auじぶん銀行 Q&A (2025年1月31日現在)
実際のところは不明ですが、少なくとも「市街化調整区域を完全に対象外としているわけではない」という意味にも読み取れますね。一方で、PayPay銀行の住宅ローンメニューにおける商品要項のページを見ると、「離島、市街化調整区域、都市計画区域外は融資の対象外となります」と明確に記載されています。
(参考)
PayPay銀行 住宅ローン 商品要項(2024年5月31日検索)
とはいえ、上記は本記事執筆時点の情報のため、今後は見直されて変更される可能性があります。市街化調整区域の物件の購入を検討している方は、各銀行の最新の情報を確認するようにしましょう。
2026年7月時点の変動金利(新規・引下げ後)はauじぶん銀行1.134%(物件価格80%以下)、PayPay銀行1.330%とauじぶん銀行が低くなっていますが、金利は毎月見直され、審査結果によって個別に提示される金利も異なるため、ネット情報だけでは判断できません。住宅ローンの金利は融資実行時に決まるため、引き渡し日がまだ先の場合は、金利が変わってしまっていることもあります。団信の内容などの頻繁には変わらない基準もあわせて比較すると、家族にとって納得感のある住宅ローン選びができると思います。なお変動金利では、保証料0円・一部繰上返済手数料0円で諸費用が分かりやすいSBI新生銀行(SBIハイパー預金の利用で変動・半年型が当初年0.990%・2026年7月時点)も検討候補に加える価値があります。
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