公開日: 2026年7月14日

ここ数年、都心部を中心に日本の不動産価格は上昇しています。特に新築物件の価格が高騰しているため、少しでも安価な物件をもとめて中古マンションや中古戸建などの中古物件を探しているご家族は多いのではないでしょうか。中古物件にはさまざまな利点があり、住宅ローンも利用できることから、不動産を買うなら中古にした方が良いとアドバイスする専門家も少なくありません。
この記事では、中古物件を購入する際の注意点を、auじぶん銀行で住宅ローンを借りるケースを例に解説します。
※本記事で解説するauじぶん銀行の住宅ローンの内容は、2026年7月時点に同行のウェブサイトで取得した情報に基づき記述しています。最新の情報については、同行のウェブサイトでご確認ください。
目次
家探しをする際に、ほとんどの方が物件を見ることからはじめると思います。しかし、本当は住宅ローンの借入額と頭金の額といった予算決めをしてから物件を探した方が、より効率的です。
というのも、物件を探していると、どうしても条件がよい物件に目が行きがちです。条件が良ければその分高額になるのですが、やはりどうしてもいい物件のほうが気になるもので、条件を満たしていったら気付けば予算オーバー・・・ということになってしまいます。最初に予算を決めておけば、予算オーバーの物件をきっぱりと排除できるため、目移りせずに効率よく物件を探すことができます。教育費や毎月の家計とのバランスを崩さないためにも、この順番はとても大切です。
また、住宅ローンの借入額を決める際には、金利の低い銀行選びも大切になります。金利は毎月の返済額に大きな影響をもたらします。例えば、毎月の返済額が10万円という予算を設定した場合、借入期間が35年であれば、金利による借入可能額の差異は下記のようになります。
<毎月の返済額から借入額を計算した場合の例>
|
毎月返済額 |
10万円 |
|
|
借入期間 |
35年 |
|
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金利 |
年1.0%の場合 |
年1.5%の場合 |
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借入可能額 |
約3,540万円 |
約3,270万円 |
(筆者作成)金利は筆者が任意に設定したものです。実際のauじぶん銀行の住宅ローン金利ではありません。
金利が0.5%違うだけで、同じ毎月10万円の返済でも借りられる額が約270万円変わります。物件を探す際は、住宅ローンを借りる銀行まで想定して予算決めをしておくと、物件を探しているうちにいつの間にか予算オーバーの物件に決めてしまったというリスクを防げます。また、価格においても根拠をもって売り手と交渉できます。
住宅ローン選びの際には、金利だけでなく団体信用生命保険(団信)の選定も大切です。住宅購入時に保険を見直すご家庭は多いのですが、団信が充実していれば、保険は上乗せではなく手持ちの保険の削減の方向で考えることができます。
auじぶん銀行では、借入時の年齢が50歳以下の健康な方であれば、がん50%保障団信に上乗せ金利なしで加入できます。この団信に加入しておけば、がんと診断確定されたら住宅ローン残高が半分になります。現在は、がんに加えて急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患の「4疾病保障」も付帯しています。その上、がんに限らずすべての病気やケガで入院が継続31日以上となったときには、その間の毎月の返済が保障され、入院が180日以上続いた場合には住宅ローン残高が0円になる保障(全疾病長期入院保障)も付いています。住宅ローンを抱えるご家族にとっては、心強い備えになります。
auじぶん銀行を利用する方は、住宅購入と同時に保険の削減もできる可能性があります。
※この記事では団信の保障内容の一部のみを紹介しているため、免責事項等の詳細はauじぶん銀行のウェブサイトをご覧ください。
auじぶん銀行では、住宅ローンの資金使途・借入用途として「中古物件」も含むことを明記しています。ただし、リフォーム費用の場合は、他の銀行で住宅ローンと増改築用のリフォームローンを借りている方が、auじぶん銀行で住宅ローンとして一括で借り換えるケースのみに限定しています。新規のリフォームローンの借り入れと、リフォームローンのみの借り換えはできません。中古物件を購入してリフォームをする予定の方は、注意が必要です。
ここで中古物件のメリットを解説します。
中古物件のメリットは、新築物件と比べて相対的に価格が安いことです。新築物件の価格には、一般的に”新築プレミアム”が乗っているといわれています。仮に新築物件を購入し、即座に中古市場で売却する場合、新築購入時の価格より安くなってしまうのが一般的です。
この新築と中古の価格差を”新築プレミアム”といいます。中古物件には新築プレミアムが乗っていないことと、年月が経ち建物が老朽化しているという点があるため、新築物件よりも価格が安い傾向があります。そういったことは特別こだわらない人にとってはメリットといってもいいでしょう。
中古物件のメリットは、物件の内見ができる点です。新築物件用のモデルルームでは、実際の生活に当てはめて想像するのは難しいと言わざるを得ません。中古物件であれば、実際に物件に入ることができるので、日当たりや収納、子ども部屋の使い勝手など、家族の暮らしをイメージしながら物件の良し悪しを目視で確認できます。
続いて中古物件のデメリットを解説します。
中古物件のデメリットは、購入時の諸費用が新築物件よりも高くつく点です。個人間売買の際には、不動産仲介会社に仲介手数料を払わなければいけません。また、法人が仕入れて販売しているタイプの中古物件の場合は、仕入れ価格と販売価格の差分の利益が乗っていることに注意が必要です。中古物件は、壁紙の張り替え、リフォームなどの費用もかかる場合があります。
また、中古物件は一般的に新築物件よりも維持費がかかる傾向があります。戸建住宅の場合、購入後、数年程度で屋根や壁の修理費用がかかることがあります。マンションの場合は、古い物件ほど修繕積立金や管理費が高騰する傾向があります。
なお、住宅購入時には上記の仲介手数料の他に、印紙税、登録免許税、司法書士費用、土地家屋調査士費用、住宅ローンの事務手数料、火災保険料、地震保険料、引越し費用などがかかります。auじぶん銀行では、これら費用分を住宅ローンに含めて借りることができます。
瑕疵(かし)とは、不動産の雨漏りや損傷などのような欠陥のことです。本来あるべき機能や品質が物理的に損なわれている場合以外にも、以前住んでいた住人に何らかの事故やトラブルがあって手放されたなど、心理的な要素も瑕疵に該当します。
住宅に瑕疵がある可能性は中古物件に限った話ではありません。しかし、新築と比較すると建物の老朽化が進んでいる分、瑕疵が見つかる可能性は高くなります。
瑕疵が理由で引き渡された物件が契約内容と相違している場合は、売主に契約不適合責任を追及することができます。これは2020年4月の法改正前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていたものです。
しかし、個人間売買の場合は契約不適合責任を免除する契約になっている場合もありますので、購入前に物件を内見することで瑕疵の有無を実際に確認することが大切になります。
心配な方は、契約前に住宅をプロが診断するホームインスペクションを利用するのも一案です。
住宅ローン控除を利用するためには、物件が新耐震基準に適合している必要があります。かなり以前に建てられた物件だと、新耐震基準を満たしていない可能性があるので注意が必要です。
なお、1982年1月1日以降に建てられた物件は新耐震基準を満たしているものとみなされます。建築日付は、登記簿上の日付を確認するようにしましょう。
前述の「1982年1月1日以降に建てられた物件」が住宅ローン控除の対象になるということは、2026年時点で築44年くらいまでの物件であれば対象になり得るといえます。現在中古市場に出回っているかなり多くの物件が対象になるということです。
ここでは、本記事更新時点(2026年7月)で利用できる住宅ローン控除の内容を見てみましょう。なお、以下では新築物件の情報も一部含めて記載しています。
※令和8年度税制改正において、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の制度内容が変更されました。
<令和8年度税制改正のポイント>
・適用期限が5年間延長され、2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までに入居する場合が対象になりました。
・省エネ性能の高い既存住宅(中古住宅)について、借入限度額の引き上げ(認定住宅・ZEH水準省エネ住宅:3,500万円)、子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ(4,500万円)、控除期間の13年への拡充が行われました。
・床面積要件が新築住宅・既存住宅ともに40㎡以上に緩和されました(合計所得金額1,000万円超の方、子育て世帯等への上乗せ措置を利用する方は50㎡以上)。
詳しくはこちらをご覧ください。
<住宅ローン控除の主な内容(2026年(令和8年)以降に入居する場合)>
税額控除額:年末借入残高×0.7%(下記、借入限度額が上限)が所得税から控除される。所得税から控除しきれない場合は、住民税からも一部控除される。
| 区分 | 住宅性能 | 借入限度額(通常) | 借入限度額(子育て世帯等※1) | 控除期間 |
|---|---|---|---|---|
| 新築または買取再販 | 長期優良住宅・低炭素住宅(認定住宅) | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年間 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年間 | |
| 省エネ基準適合住宅※2 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年間 | |
| 既存住宅(中古) | 長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年間 | |
| その他の住宅 | 2,000万円 | 2,000万円 | 10年間 |
※1 子育て世帯等=19歳未満の扶養親族がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯。
※2 省エネ基準を満たさない「その他の住宅」の新築は原則として控除の対象外です。また、新築の省エネ基準適合住宅は、建築確認が令和10年以降のものは原則対象外となる予定です。
<住宅ローン控除利用のための主な要件>
(注)上記は、制度内容の一部を記載したものです。住宅ローン控除の制度の詳細は、各省庁のウェブサイトで最新の情報をご確認ください。
(出典)以下参考文献を基に筆者作成
国土交通省 住宅ローン減税
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
たとえば、ZEH水準省エネ住宅に該当する中古住宅を4,000万円の住宅ローンを組んで購入し、2026年中に入居した場合、借入限度額は3,500万円なので、1年あたりの税額控除額の上限は以下の式で計算できます。
3,500万円 × 0.7%=24.5万円
控除期間は13年間なので、年末の借入残高が3,500万円を上回り続ければ、単純計算で最大318.5万円の所得税等が控除されることになります(納税する所得税等があることが前提です)。実際には返済が進むと年末残高は減っていくため、控除額もそれに応じて少なくなります。年末借入残高が3,500万円未満であれば、年末借入残高に0.7%を乗じた金額が税額控除額となります。
なお、一般的に「中古住宅」という場合、新築住宅以外を指します。上記の計算は、個人が売主の中古住宅を購入したケースで計算していますが、一定の条件を満たす「買取再販」の住宅の場合は、新築住宅と同様の税額控除が受けられます。購入する物件が、住宅ローン控除のどのカテゴリーに該当するのかは、不動産会社に確認しておきましょう。中古住宅の場合は、省エネ性能を証明する書類(住宅省エネルギー性能証明書など)の有無で控除額が大きく変わるため、あわせて確認しておくと安心です。
法人が売主の物件の場合は、引き渡しの時期を買主に譲歩してくれる可能性があります。一方で、中古物件で個人間売買の場合は、売主の引越しの予定などが影響し、引き渡し時期が契約日から短い場合があります。
その場合は、住宅ローンの審査を急がなければいけません。auじぶん銀行はネットで審査申し込みができるため、売買契約書を書いた直後に審査申し込みをすることも可能です。中古物件を探している方は、急ぎの場合に備えて予めマイページの登録や同行の普通預金口座の開設など、できる作業はやっておくのが良いでしょう。
また、auじぶん銀行のコールセンターは、親切な対応に定評があり、HDI-Japan主催「問合せ窓口格付け」と「クオリティ格付け」で2022年に最高ランクの3つ星を受賞しています。住宅ローンの手続きで不明なことは相談してみると良いでしょう。
中古物件狙いの方は、複数の物件を見ることで目利き力を鍛えることをおすすめします。
中古物件は、価格が周辺相場よりもかなり割高に設定されている場合があります。売主は当然「安売りはしたくない」「あわよくば高額で売ってしまいたい」と考えているのが一般的です。買い手は割高な物件を掴まないようにすることが大切です。
ただ、全ての中古物件が割高というわけではありません。「海外赴任が決まったので、売らないといけない」「急に実家に引っ越すことになったので、物件を売りたい」などの、急ぎの事情がある人は、比較的リーズナブルな価格で売値を提示している場合があります。
いくつか物件を見ていると、「この立地とグレードでこの価格はお買い得だな」という判断ができるようになります。もちろん、そのような物件はすぐに売れてしまいます。気になった物件を他の人に取られる経験をすることで、人気の物件を見極める力が付いてきます。お買い得物件は、早いと市場に情報が出てから数日で買付の申し込みが入ってしまうこともあります。戸数の多い新築マンションの募集と比較して、中古物件はスピードが重要だと覚えておきましょう。
逆に、条件がかなり良いにも関わらず、条件に見合わず不自然に安すぎる物件にも注意が必要です。例えば、自殺や殺人事件があったなどの事故(心理的瑕疵)物件はかなり低価格に設定されている場合があります。低価格の物件を見つけた時は、必ず過去に何かしらのトラブルが起きていなかったか調べたり、売り主に事故物件か否かを質問するようにしましょう。
最後に、中古物件の購入を検討しているご家族からよくいただく質問をまとめました。
新規のリフォームのための資金は、auじぶん銀行の住宅ローンの資金使途・借入用途に該当しません(リフォームローンのみの借り換えも同様です)。対象になるのは、他の金融機関で借入中の住宅ローンとリフォームローンを一括で借り換えるケースに限られます。購入と同時に大きなリフォームを予定しているご家庭は、リフォーム部分の資金計画を別途立てておく必要があります。最新の取り扱いはauじぶん銀行の公式サイトでご確認ください。
登記簿上の建築日付が1982年1月1日より前の物件は、そのままでは住宅ローン控除の築年数要件を満たしません。ただし、耐震基準適合証明書などで新耐震基準への適合が証明できる場合には対象になることがあります。取得を検討する際は、証明書が取得できる物件かどうかを不動産会社に確認しましょう。
変わります。2026年(令和8年)以降に入居する場合、認定住宅・ZEH水準省エネ住宅に該当する中古住宅は借入限度額3,500万円(子育て世帯等は4,500万円)・控除期間13年間と手厚くなった一方、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は借入限度額2,000万円・控除期間10年間のままです。同じ価格帯の物件でも、省エネ性能の証明書の有無で13年間の控除総額が大きく変わるため、子育て世帯にとっては特に大事なチェックポイントです。
ここまでの解説通り、中古物件は価格の安さは魅力的ですが、さまざまな注意点があることも事実です。いくつかの物件を見ていると、段々と物件の見どころがわかってきます。住宅ローンの予算を立てたら複数の物件を見てみましょう。
参考サイト:auじぶん銀行 住宅ローン 公式サイト
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