2024年10月14日
一般的に、住宅ローンを借りる際には勤続年数が1年〜3年程度は必要だといわれています。このようにきくと転職したばかりの方は、「自分はしばらく住宅ローンを借りられないのだろうか」と考えると思います。しかし、転職したばかりの方を住宅ローンの対象としている金融機関は少なからずあります。
例えば、ネット銀行の1つである「auじぶん銀行」では転職直後の方のための審査フローが確立しています。「良い物件が見つかったけど、転職直後なので住宅ローンの審査に通るか不安」という方にとって、auじぶん銀行は借入先として有力な選択肢になります。
目次
各金融機関の住宅ローンの審査基準の詳細は公表されていません。しかし、一般的に勤続年数は住宅ローン審査に影響するといわれています。国土交通省の「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、調査に回答した9割以上の金融機関が、以下の9点を融資を行う際に考慮する項目としてあげています。下記9項目の中に、「勤続年数」も含まれています。
令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書 令和5年3月 国土交通省 住宅局
上記の資料の具体的な回答内容を見てみると「勤続年数」の基準を、「1年以上」と回答している金融機関が最も多くなっています。「2年以上」「3年以上」「その他」と回答している金融機関もあります。転職後に住宅ローンを組む方は、少なくとも1年以上、できれば3年以上の勤務期間を経ていると、借入先金融機関の選択肢が広がることがわかります。
「転職することが決まっている」状態を前提にした場合、住宅ローンを借りるのは転職前と後、どちらが良いのでしょうか。実は、この場合は「転職後」がおすすめになります。多くの方は「勤続年数」のことを考慮し、「転職前の勤続年数で審査してもらった方が、転職後よりも通りやすくなるのでは?」と考えると思います。
しかし、転職直前に住宅ローン審査を進めるのはおすすめできません。転職前に審査を通過し、その後融資実行までの間に転職すると、再審査が必要になってしまう可能性が高いからです。再審査で落ちてしまうと、物件が購入できなくなってしまいます。最悪の場合は売主に違約金を払わなければならなくなることもあり得ます。
実は、金融機関によっては転職予定の方を、住宅ローンの対象外としています。「転職する前に審査してしまう」という選択肢自体が選べない金融機関もあるということです。
転職の予定が決まっているのに、それをいわないで転職前に審査を進めてしまうこともおすすめできません。何らかの理由で融資実行前に転職の事実が金融機関に知られてしまった場合、引き渡し直前で融資が実行されない可能性が生じてしまうからです。
また、最近は経済的理由などにより住宅ローンの返済が苦しくなった時に、金融機関が返済を待ってくれる場合があります。このように、金融機関は顧客の味方的存在であるため、誠実にコミュニケーションをとることが大切です。
もちろん、住宅ローンを借りた数年後に転職することが決まる場合もあると思います。その際は、金融機関に勤務先変更をする手続きを取りましょう。
先述のとおり、多くの金融機関が住宅ローンの融資判断において「勤続年数」を考慮しています。それゆえ、転職直後の方は住宅ローンを申し込むことに気兼ねしてしまうと思います。理由はどうあれ審査に落とされるのは気持ちが良いものではありません。
しかし、転職直後だからといって、必ずしも住宅購入を控えた方が良いとはいいきれません。先述のとおり、転職直後の方を住宅ローンの利用対象者としている金融機関はあるからです。繰り返しになりますが、auじぶん銀行は、転職直後の方を融資対象にしています。
同行では転職後3年未満の方の場合は、本審査で今の職業を含む学校卒業後の職歴を記載した職務経歴書を提出することで、転職直後の方を含め審査に進むことができます。職務経歴書には転職理由を書く必要があります。懲戒免職などが転職理由の場合は好印象とはいえませんが、ヘッドハンティングやキャリアアップが理由の転職であれば、一般的に悪い印象にはならないと思われます。
auじぶん銀行は、勤続年数といった定量的な要素だけで機械的に判断するのではなく、職務経歴書などの内容といった定性的な要素も鑑みて融資審査を行っていることから、1人1人の顧客にしっかりと向き合っている好印象な銀行だといえます。
転職直後の方も融資対象としているauじぶん銀行とは、どのような銀行なのでしょうか。同行は、大手通信会社とメガバンクが出資して設立されたネット銀行です。店舗がないことと、銀行業界の中では比較的少人数で経営されている理由から、低コスト経営というイメージがあります。そのおかげか、商品性が優れています。住宅ローンの金利は金融業界でトップクラスの低さであり、無償で付けられる団体信用生命保険(団信)にも定評があります。
満50歳までの方であれば、がんと診断されるだけで、残債が2分の1になる「がん50%保障団信」に上乗せ金利や追加手数料を付加しなくても加入できます。この団信には、精神疾患を除くケガや病気で1ヶ月以上入院した時に毎月の返済が免除される「月次返済保障」、入院が継続180日になった場合に残債がなくなる「全疾病長期入院保障」も付いています。
金利を上乗せすれば、がん保障を残債の100%にするがん100%保障団信やがん100保障団信プレミアムに加入することも可能です。
また、auユーザーなら、auじぶん銀行の住宅ローンをよりお得に利用できる「auモバイル優遇割」というサービスがあります。
auモバイル優遇割は、au回線とauじぶん銀行の住宅ローンをセットでご契約いただき、適用条件を満たすと住宅ローン適用金利から年0.07%引き下げることができます。さらに、auエネルギー&ライフ株式会社が提供する電力サービス『じぶんでんき』と住宅ローンをセットで契約すると、『じぶんでんき優遇割』が適用され、金利が年0.03%引き下げられます。この2つの割引により、最大で金利を0.1%引き下げることが可能です。
auじぶん銀行は、ネット銀行であるがゆえに営業員による勧誘がありません。そのため、消費者に選ばれるために、間口を広くかつ商品を好条件にしていると考えることができます。
ここで、先述の「金融機関が住宅ローン融資において考慮する項目」のうち、「勤続年数」以外の項目についても解説します。
多くの金融機関では住宅ローンの完済時年齢を定めています。例えばauじぶん銀行では、住宅ローンの完済時年齢を満80歳と定めています。
35年ローンの場合、40歳で借りる方は完済時年齢が75歳ですが、50歳で借りる方は85歳になってしまいます。この場合、50歳の方は最長で30年ローンまでしか組めないということです。
住宅金融支援機の「フラット35」のシリーズを除いて、ほとんどの金融機関の住宅ローンは団信の加入が必須になっています。つまり、健康上の理由で団信が組めない方は、住宅ローンも組めないということです。
住宅ローンは、勤続年数や収入といった借主のステータスだけでなく、担保にする物件の評価も重要になります。大企業に勤めていても、中古物件を購入の際には、物件の担保評価が理由で審査に落とされてしまうことがあります。
借入時の年齢も審査上重要な要素です。例えば20年ローンを組む場合は、40歳から組めば現役中に完済予定となりますが、64歳から組むと、返済期間のほとんどが年金暮らしになりかねません。
もちろん、年齢だけで審査するわけではありませんが、現役中に住宅ローンの大半を返済できる予定の方は、審査においては好印象となるでしょう。
年収は返済能力に直結するため、重要であることはいうまでもありません。合わせて年収に占める年間の返済割合を示す「返済負担率」も重要です。返済負担率の基準は、年収が高い方ほど高くなる傾向があります。
年収が300万円の方が返済負担率20%のローンを組んだ場合、年間の返済金額は60万円で、収入の残りは240万円となります。一方で、年収が2,000万円の方が返済負担率30%のローンを組んだ場合は、年間の返済金額は600万円で、収入の残りは1,400万円となります。年収が高ければ、返済負担率が多少高くても、家計に体力があると判断するのが一般的です。
住宅ローンに限らず、多くのローン商品には連帯保証が必要になります。住宅ローンの場合は、連帯保証人を必須とするケースはまれで、保証会社を利用することを求める金融機関が多くなっています。(ペアローン、収入合算の場合は、パートナーが連帯保証人になることが求められます)
auじぶん銀行の場合は審査結果に問題がなければ、保証会社の利用すら不要であり、債務者単独での借入が可能です。
※審査結果によっては保証会社の利用が必要な場合もあります。
対面型金融機関の場合は、営業エリアは重要になります。店舗がなければ顧客と面談ができないからです。auじぶん銀行の場合は、元々店舗がないため、営業エリアの制限はなく全国の方が住宅ローンの対象になります。
キャッシュフロー表の見直しは、住宅購入時や子供が生まれた時などの支出が増加する時に行うのが一般的です。過去に作ったキャッシュフロー表が転職後を反映していない場合は、念の為に見直しをすることをおすすめします。
転職後は収入がアップする方が多いと思います。そもそも収入を上げるために転職活動を頑張ったという人も多いでしょう。ゆえに、キャッシュフロー表どおりの予算で住宅ローンを組んだ場合は「予定通りでよかった。収入も増えたし問題ないだろう。」と考えキャッシュフロー表を見直さない方が多いです。
しかし、転職によって収入以外の条件が変わっている場合があります。例えば、前職なら退職金がまとまって出る予定だったが、転職先は退職金がない、というケースはよく見ます。その場合、転職前以上に貯蓄や投資に資金を振り向ける必要があります。
また、会社独自の医療保障制度や死亡退職金制度が転職先の企業では手薄になってしまうことがあります。この場合は、民間の保険に追加加入の必要があるかもしれません。
転職後は、収入が上がったとしても福利厚生が手薄になっている可能性があるため、キャッシュフロー表と保険に不安な点がないか、チェックをしましょう。
過去、日本では転職をネガティブに見る人が少なくありませんでした。会社に長く勤めることを美徳とする考え方があったことが理由の1つだと考えられます。しかし、現代は自己実現のために転職をするのは当たり前の時代になりました。
転職をキャリアアップのために利用する人は少なくありません。
転職を考える人は、長期的なゴールを定め、逆算で今するべきことを考えると計画的に物事を進めていくことができます。
例えば、勤めながら専門的な資格の勉強をし、合格次第職を変えるというのは現実的な考え方です。ただ、職種の変更を伴う転職の場合は、収入が減少してしまう場合があるので注意が必要です。住宅ローンを組む際には、職業の選択の自由度を鑑みて、多少収入が減少しても問題ない借入額にしておくと、「住宅ローンが重くて転職の決断ができない」という事態を防げます。
「すぐに転職をするわけではないが、スキルが上がってきたら好条件の職場に転職したい」と考える人は多いと思います。そのような向上心が高い人におすすめなのが、教育訓練給付です。教育訓練給付は、雇用保険の加入者が一定の教育訓練を受けた際に、講座受講費用の一部が補填される制度です。教育訓練は以下の3つに分けられます。
専門実践教育訓練は、中長期のキャリア形成に繋がる資格取得講座等が中心になっています。受講費用の50%、年間上限40万円が支給されます。追加の支給制度もあります。
特定一般教育訓練は、再就職や早期のキャリア形成に繋がる資格取得講座等が中心になっています。受講費用の40%、上限20万円が支給されます。
一般教育訓練は、雇用の安定や就職の促進に繋がる講座等の受講料の20%、上限10万円が支給されます。
詳しくは、厚生労働省のウェブサイトや、教育訓練を提供しているスクール等が発信している情報を確認しましょう。
(参考)厚生労働省 教育訓練給付制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
ここまでの解説の通り、auじぶん銀行であれば、転職直後の方も住宅ローンを借りられる可能性があります。しかし、融資審査は勤続年数だけでなく他の項目も重要になるので、実際には申し込みをしてからでないと結果は確定できません。
また、転職後の収入でしっかりローンを返していけるのかどうかを鑑みて、住宅ローンの借入額を検討しましょう。
参考サイト:auじぶん銀行 住宅ローン 公式サイト
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